
お札っぽい襖、お経の部屋、鬼の部屋 稲荷様と葬式関係のグッズはなんのためにあったんだろうか?
な人の疑問に答えます。
結論から言えば、謎は全て謎のまま(ごめんよ)。
付近にある鶯花寮荘の方は曰くがあって面白い。
目次
ゾゾゾ 三重県スペシャル杉屋旅館の謎を考察
杉屋のある湯の山温泉とは?
まずは簡単に杉屋の説明を。
杉屋は、湯の山温泉という温泉郷の一角にある温泉宿です。


なので上の地図では、鶯花荘の場所を便宜上指し示しています。
湯の山温泉の特徴としては、
718年に発見された古温
西南戦争時には、戦傷病者の療養所として指定を受ける(杉屋・橘屋・三獄寺の3箇所が)
戦傷病者が地元に帰り、湯の山温泉の風光明媚な景色をほめたたえたことで、知名度が全国的に広がる
しかし明治時代には他の温泉地との競合に敗れ、わずか1軒しか営業していない時期もあった
また湯量も乏しく、過去4度涸渇があった
だが、近畿日本鉄道が目を付け、鉄道を敷設。アクセスのよさから奥座敷としての地位を復活させ、他旅館も増えていった
僧兵まつりが有名
僧兵まつりとは?
三獄寺を守るために、勇敢にたたかった僧兵をたたえるお祭り。
織田信長の命により、三獄寺に襲撃をしかけた滝川一益の軍勢に対し、三獄寺の僧兵たちは勇敢に戦った。
祭りの様子はこちら↓
杉屋には2006年のポスターがあったので、潰れたのもそこらへんの年代だと思います。
”増築を繰り返した”という記述は調べても出てきませんでしたが、
歴史が長いのでおそらく何度も増改築をしているのだと思います。
また、階段を下っても外につながっていたりと不思議な構造ですが、
それは杉屋が斜面地に建っていることが原因です。
杉屋の謎を考察していく
襖のお札っぽいのは何?
襖の下の紙に、お札っぽく何か書かれてるところありましたよね?
あれお札だったらワクワクするなぁ~と思ってたのですが、残念、お札ではありませんでした。
あれは下張りといって、古紙などを襖の下地にする製法で作られた結果です。
下張りということは、当然上張りも存在します。
下張りから少し間を開けて紙を張ります。それが上張り。
なので襖って下張りと上張りという、二重構造になっているんです。
下張りをする理由は単純で、湿気を吸ってもらうことで上張りの紙が波打つことを防ぎます。
また、下張りと上張りの間に空間を作ることで、保湿性や調温性の機能を持たせることが可能となります。

夏は外の暑い温度が室内に伝播することを防ぎ、冬は寒い外の温度が室内に伝播することを防げる
というわけで、下地の紙に文字があったのは古紙を使うというれっきとした製法でした。
誰かを呪いたいがために、ひっそりと襖の下地にお札を使った、とかではなくて残念。

ステルス呪法ではありません。残念。
なぜ杉屋という旅館に仏壇があったのか?
旅館に仏壇はちょっと意味わからないですよね。
仏壇って、自分の祖先様のご供養を行うための物です。
なので、かなりパーソナルなものなんですね。
それが旅館という、たくさんの人の出入りがある場所に設置されていることに、かなり違和感を覚えます。
ちなみに商売繁盛の神様がいるので、神棚がホテルにあることは不自然ではありません。
皆口さんがお社を見て「お稲荷さまじゃないですか?」と言ったこととも関係しています。
お稲荷様は五穀豊穣・商売繁盛を司る神様だからですね。
商売人にとっては、お店にあるお社=お稲荷さまと言ってもいいくらいポピュラーなものです。

話は戻して。
仏壇を他人の出入りがある、パブリックな空間に置くケースを調べてみました。
その結果がこちら↓
- 刑場がある場所(刑務所・拘置所)
- 老人ホーム
- かなり一部のホテル
刑場。
刑場とは死刑執行をする場所のこと。
死刑執行をする前、仏壇とソファのある部屋に通されます。
そこで自分の遺体の処置や、遺品などの扱いについて説明がなされるそうです。
老人ホーム。
老人ホームでも、希望すれば仏壇を持ち込めます。
この場合は自分の先祖を供養する仏壇を持ち込むってイメージです。

一部のホテル
赤倉ホテルには、1階エントランス部分に大きな仏壇があります。
この仏壇はご先祖さまではなく、仏様をまつるためのものです。
ホテル創業者が仏様への信仰心が厚いため、設置したものみたいです。
念仏おばあちゃん、と言い、その道では有名な方みたいです。
調べた結果わかったのは、仏壇の使い方はご先祖さまをまつるだけではないということ。
仏壇でまつることができるのは2種類。
仏様と、自分のご先祖さまです。
ということは、仏様を祀っている場合は別にパブリックな空間に仏壇があってもおかしくはない、ということですね。
では杉屋旅館にあった仏壇では、何を祀っていたのでしょうか?
杉屋にあった仏壇部屋は、かなり奥まったところにあり、ずいぶんと閉鎖的なイメージを受けます。
あの部屋への入り口は、ゾゾゾメンバーが降ってきた階段のみ。
しかもあの仏壇、カーテンで隠せるようになってるんですよね。
設置してある部屋の位置的にも、カーテンで隠せるようにしていることからも、
誰にでも手を合わせることができる仏様を祀っているのではないと思います。
仏様でないとしたら、誰のご先祖を祀っているのか?
旅館に仏壇を設置できる人。
というと、まあ旅館の管理人。女将とかね。
でも不思議なのは、あの部屋って妙に生活感があるんですよね。
よく見るとキッチンと冷蔵庫もあるんです。
たぶん普段は従業員用の調理スペース&飲食の場だったんだろうなと。
で、仏壇に用がないときはカーテンで閉じていた、というのが私の考えです。

仏壇と閉眼供養
心霊スポットの仏壇、といえば閉眼供養をしたのかがとても気になるところ。
閉眼供養とは?
仏壇を使用するときは、魂を入れる。
そして使用しなくなったら、入れた魂を抜く必要がある。
これを閉眼供養という。別名魂抜き。
厄介なことに、閉眼供養をしたか/しなかったかは、見ただけではわからないんです。
中に何も残っていなかったことから、”仏壇を放置しちゃまずい”という意識は感じますが。
それでも閉眼供養したかどうかはわかりません。
仏具だって所有者が持ち帰ったのか確証はありませんしね。

本来なら仏壇ごと処分しないといけないのに、残っていたのでイヤな感じはします。
杉屋には”お経の部屋”があるという噂がありますが、多分この仏壇部屋だと思います。
なぜそう呼ばれるようなったかは不明ですが。
たぶん肝試しに来た人たちが、
「仏壇がある!!」
「え、待って。お経聞こえね?(仏壇発見にのったジョーク)」
「き、聞こえる!うわぁぁぁぁ!!(ジョークにのる少年)」
「逃げろぉおお!(暴走する集団心理&悪ノリする少年たち)」
みたいなことがあったんじゃないですかね(テキトウ)
調べてみましたが、特にいわれもありませんでした。
私個人としては、肝試しにきた人が他の人に、”仏壇の部屋でお経が聞こえた!”と誇張して話した結果だと思っています。
ちなみに仏壇のある部屋へは階段で降りて行ったので、地下にあると思っている人も多いと思います。
が、実は仏壇部屋は外と繋がる窓があります。
斜面地に建っているために、下っても地中ではなく外とつながっている構造になっています。
鬼の部屋の正体を考察
ゾゾゾの動画では”杉屋には鬼の部屋”がある、とのことでしたが、結局出てきませんでしたね。
鬼部屋、とはどこのことなのでしょうか?
鬼と聞いて連想するのは、天狗、渡来人、鬼門などです。
天狗といえば杉屋の近くには天狗伝説の残る福王山があります。
ただ福王山と杉屋は隣接しているわけではないので、あまり関係ないかと。

この地域には天狗伝説にちなんで天狗を奉る文化が根付いており、天狗を奉る部屋を鬼部屋と呼称していた…。
なんてことなら最高なんだけどね。
鬼門については、下記地図を見てください。

仏壇のある部屋が鬼門に若干かかっています。
とはいえ家相的には、鬼門の位置に仏壇があっても大丈夫です。

鬼門の位置に仏壇がある、は絶対的なタブーではないみたいです。
鬼門の位置に仏壇が存在することから、仏壇の部屋を鬼部屋と呼称したのか。
情報が少なくて何ともいえませんね…。
ちなみに”鬼部屋”という名称は、民俗学にも家相にも存在しません。
もし何らかの情報をお持ちの方はコメント欄にて教えていただけると、助かります!
お稲荷さまを放置すると起こること
皆口さんが発見した、お稲荷さまを祀っていたと考えられるお社。
お稲荷さまを放置するとたたられる、とのことでしたが、本当でしょうか。
放置して起こることをちょっと調べてみました。
お稲荷さまを放置して起こること1
お稲荷さまを信仰していた、実業家の父。厚い信仰もあり、一代で見事な会社へと成長させた。
3人の子供にも恵まれた。
大学を卒業した子供と一緒に、親子で会社を軌道に乗せる。
しかし父が亡くなり、誰もお稲荷さまを祀る人がいなくなった。
とたんに家族仲は険悪なものとなり、会社も倒産してしまう。
(もしや父が信仰していたお稲荷さまのお世話を放置していたからなのか?)と一人の息子が思い、お世話を再開。
すると家族仲もよくなり、兄弟で再び会社を起こし、無事軌道にのったそうです。
お稲荷さまを放置して起こること2
お稲荷さまのお社を勝手に移動させたり、壊れている部分を自分で手直しすると、急逝する。
ご神職やご住職に相談しながらお社をいじらないと、たたられる。
とまあ、お稲荷さまをお祀りしたはいいものの、その後放置してしまい祟られてしまった話はたくさんあります。
とはいっても神の使いでしょ?
悪霊じゃあるまいし、人をたたることなんてあるの?
と思いがちですが、多分メッセージなんでしょうね。
「おい人間。俺たちの世話忘れてるぜ?」っていう。
子供ができなくなったり、仲が悪くなったり、急逝する人が増えたり。
少しずつメッセージとして、お稲荷さまは気づかせようとするのだと思います。
とはいえお稲荷さまを放置した人間です。
万が一でも、「最近の不幸の原因はお稲荷さまだ」とは考えないでしょう。
その結果、メッセージに気づけずに放置を続け、一家が潰れる。
それが”お稲荷さまを祀ると、三代で家は潰れる”と言われる所以だと思います。

杉屋のお稲荷さまはどんな感じ?
基本、お稲荷さまをお祀りする際は、御霊分けを行います。
イメージ的には、稲荷大神の小さな複製神をもらう感じ。
そして分けてもらった神様の複製は、神璽(おみたま)といいます。
残されたお社には、おみたまがなかったことからお稲荷さまをきちんとお戻しになったのだと思います。

とりあえず”現状は”問題なさそうです。
香典袋と芳名帳(ふめいちょう)はなぜあった?
香典袋と芳名帳が杉屋に捨てられてましたよね。
あの謎を考察していきましょう。
大阪祭典グループの名前が入っていたメモ帳っぽいものがありましたよね。
あれ、芳名帳といいます。
芳名帳には参列者の住所・氏名を書いてもらいます。

芳名帳には”大阪祭典”とありました。
大阪祭典とは、大阪に拠点を構える葬式場の運営会社です。
あと香典袋。
これはもちろんお金を入れて、葬儀の際に親族の方にお渡しするものです。
どっちも始末の方法は簡単で、可燃ごみに出せばOK。

となると不思議ですよね。
なぜ杉屋にあったのかが。
普通に考えて不法投棄された、と考えるのが普通です。
ですが、わざわざ捨てに来ずとも、可燃ゴミに出せば済む話。
となると動画には一つくらいしか写っていませんでしたが、ゴミとして出すには量が多すぎたのかなと思います。
もちろん、ゴミとして出すと値段が高すぎるので、不法投棄をするわけで。
事業活動で出したゴミは産業廃棄物となります。
対して、家庭で出たゴミは家庭ゴミとなります。
たとえ書類などの紙のゴミでも、事業活動で出したゴミは産業廃棄物です。
*指定業種の場合
そして簡単な料金比較ですが、
- 産業廃棄物:1000リットルで5000円〜(処分を頼む会社によって変動)
- 家庭ゴミ:900リットルで600円(ゴミ袋代)
同じ量のゴミでも、事業活動で出したゴミの場合、8倍余計にお金を出さないと処分してもらえないってことです。
量次第ですが、確かに不法投棄したくなる気持ちも理解できます。
ちなみに産業廃棄物を持ち帰らせて、家庭ゴミとして出させることは違法です。
廃棄物処理法に反することになり、罰金となります。
たぶんやった人がいるんでしょうね。
近くの鶯花荘寮(おうかそう・りょう)の方が面白そうないわくがたくさん残っている
さて、ゾゾゾで紹介された杉屋の謎は以上となります。
湯の山温泉を調べていくと、付近にもっと面白そうな心霊スポットがあるんですよね。
それが鶯花荘寮(おうかそう・りょう)。
名前の通り、鶯花荘という旅館の寮です。
この鶯花荘寮に残っているいわくが面白いで、紹介していきます。
鶯花荘寮で有名な心霊現象は下記の通り
- 黒い影が立ち上がる
- 交通事故にあう
- 顔が歪んでいる男の霊が出る
などがあります。
面白いのが、”交通事故に遭う”という霊現象。
鶯花荘寮を訪れると、後日事故に遭うというものです。
わかっているだけでも、過去4回事故が起こっています。
- 1995年9月、男性3名(三重郡部在住)が愛知県内にて車両大破事故
- 1995年8月、男性4名(四日市内在住)が同市内の堤防で転落
- 1999年9月、男性5名(鈴鹿市内在住)が四日市内で車両大破事故
- 2000年1月、男性4名(四日市内在住)が鈴鹿市内にて車両大破事故

心霊現象以外にも、身元不明の男の腐乱死体が発見されたりもしました。
そしてその部屋から顔面ぐちゃぐちゃの男の霊が何度か目撃されたりしています。
顔面ぐちゃぐちゃ。
落合さんのラストとリンクしますね?
ただ場所的には杉屋と鶯花荘寮は離れているので、おそらく関係ないとは思います。
もちろん撮影前に行っていたり、撮影したけどボツにしたなど、そういう事情があったとしても分かるわけはないですが。

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