やりすぎ都市伝説

(前編)ペルーで発見されたミイラを巡るフェイクニュース編【やりすぎ都市伝説2024・春】

都市伝説ファイル:地球外生命体のミイラをめぐる報道と印象操作

「来たねペルー。
なんで今回ペルーに来たのかっていうと、
スターオメガっていうのがいよいよ見え隠れするんじゃないのかってこと。

 

でもその前に、前回の取材でメキシコにミイラを見に行った後、すぐに世界的なニュースが出たよね。」

 

前回取材でメキシコを訪れていた関。

そこで目にしたのは、
ジャーナリスト・ハイメ・マウサン氏がメキシコ議会で発表した、人類以外の生命体とされるミイラだった。

 

「えっ、えっ、すごい。うわ、うわぁ。」

 

こちらはクララと呼ばれ、ペルーのナスカ付近で6年前に発見された。

現在はCTスキャンの結果、女性の遺体ではないかと考えられている。

また、分析をした人類学者ロジャーズ・ズニカ博士は、
人間による物理的な改造の痕跡が全く見られず、遺体としては本物であると断言した。

 

「これはすごいですね。」
「そもそもこのミイラは、何年前のものなんですか。」
「メキシコ国立自治大学で年代測定を行い、およそ1000年前のものだと判明した、地球外生命体です。」

「さらに不思議なのが、女性の遺体にだけ胸に金属のプレートが埋まっていることだ。
この遺体のプレートは95%が銀でできており、他の女性の遺体にはオスミウムという金属が使われていた。」

 

「私の考えでは、何かしらのコミュニケーションのために、このプレートが使われていたはずだ。」

「この95%の銀っていうのは、これは大事なんだけど、残りの5%は何なんだってことなのか。
そしてね、他の女性に入ってるオスミウム、いいね、地球外とのコンタクトを取るために必要なものでもあったりするわけ。」

 

 

「これ、頭はどうなってんですか。」
「脳が乾いたものが中に残っている。」
「脳が乾いたものがある。」
「脳が乾いたものがあるの。」

 

 

それすごいことだからね。脳みそが蘇るってことだよ。
わかる。そのDNAを人間の脳に植え込まれるからね、人類以外のものの脳みそがよみがえるんだからね。」

 

さらにこちらはマウリシオ、男性の遺体と考えられている。
クララと同じく、ペルーのナスカ付近から発見された。

 

「すごいね、こんにちは、こんにちはいやいやいやいやいやいやいや」

 

ベイビーリトル
ミイラを持ってお辞儀させたことで、軽く炎上してたぜ笑

 

しかし、この取材の直後、あるニュースが世界を駆け巡った。

ペルー文化省がこの写真に写る2体を、人工的に作られたミイラの偽物であると断定。

 

針金や接着剤、紙などを使って作られた、全くの偽物であると糾弾した。

 

「ペルー政府の見解はそう言ってるけど、前回取材したメキシコのミイラっていうのは確かに、メキシコの調査チームが言っている通り、本物。」

「人類以外のミイラなんだよね。だけど、ペルー政府が言っている、あの2体のミイラが偽物だっていうのも本当の話。」

「一体どういうことなのか。それを理解するには、双方が発見された場所を知ればわかってくるから。」

そもそも前回我々が見たメキシコのミイラとペルーのミイラが同じものだと思っている人多いけど、実は全くの別。」

 

メキシコのミイラは、
2017年にペルーナスカで発見され、
その後、メキシコ保健科学研究所、メキシコ国立自治大学、ペルー国立イカ大学の調査を経て、
炭素年代測定の結果、およそ1000年前のものと断定された。

 

そして発見された数十対のうちの2体が、昨年、人類以外の生命体としてメキシコ議会で取り上げられた。

 

 

一方、ペルー政府が調査を行ったミイラ、
実は昨年10月にペルーの首都リマにある空港内の物流倉庫で見つかったもの。

2体のミイラはアンデスの伝統衣装を身にまとっており、ベルー文科省の調査の結果、偽物と断定された。

 

「単刀直入に言うと、ペルー政府が押収した物流倉庫のミイラっていうのは、ただの民芸品なんだよね。
メキシコのミイラあるでしょ。
あれは元々ペルーで見つかってるわけ。」

「だからペルーは、町おこしとして、それを模した民芸品を作っていたんだよね。
民族衣装を着せて売ろうとしてたってこと。
例えば美術館で、土偶のレプリカとか売ってるでしょ。

それを押収して、勝手に調査したっていうようなこと、実際、X線写真を見れば一目瞭然なんだよね。」

 

「まず、ペルーの倉庫から発見されたミイラが、これ。
で、メキシコのミイラが、これ。」

 

「この二つで一番見比べてもらいたいのが、肘と股関節。
全然違うよね。

それに、そもそもメキシコのミイラが、そのレベルの偽物だったら、複数の権威ある研究機関の調査結果は何だったのって事になるよね。」

 

ペルー政府が偽物と断定したミイラは全く別の民芸品だったと語る関。

今回、そのミイラの民芸品を作ったとされる人物に接触することができた。

真相を聞く。

 

「今からさ、民芸品を作ったとされるね、マヌエルさんにお会いするから。
しかも中見してもらうか。

「はい、オラー」

 

こちらがミイラの民芸品を作ったとされる人物マヌエル・カセレス氏。

マヌエル氏は自宅で、民芸品を製造出荷していたのだという。

「すごい。これは全然違うよな。
いやいやいや、これは全然違う。
この民芸品を作ったのはマヌエルさんなんですか。」

「はい。私が作りました。これは100%民芸品です。」

「この民芸品とされるものですけども、何で作ったんですか。」

「ペルーからこのようなミイラが発見されたというニュースを見て、観光客向けのお土産として作り始めました。」

「政府が調査したのは、この民芸品なんですか。」
「そうです。ペルー政府は、私の民芸品を勝手に調査し、ミイラの偽物として断定したのです。」

「明らかにねこれ人間が作ったってわかっていながら、調査してますもんね。
僕らが前回メキシコでね、調査したミイラとね、大半の人はですよ、ペルーの政府が言ったね、あのミイラってのは同じだと思ってるわけですよ。」

「だけど全く違くて。印象操作してでもいいからねじ伏せたいものがあのニュースの裏には隠されてますよ。」

 

関が言うように、実際、第一報として、AFP通信が出した記事では、メキシコのミイラとペルーのミイラは同じものとして書かれていた。

 

しかし、その後に出たロイター通信の記事では、最後に、専門家は、ベルーとメキシコのミイラに関連があるかどうかには触れていない。

という1文が添えられていた。

 

「しかも、ベルー政府自体も、双方の関係性については濁してるんだよね。」

 

 

ペルー文化省がミイラを偽物と断定した記者会見で、法医学者のフラビオ氏は双方の関連性を記者に尋ねられると、
怒り、取り乱す様子を見せたそう。

 

「イカ大学で分析したミイラの方には、科学的証拠が数多く残されていると聞いています。」
「イカ大学の話は全て嘘なのです。もしそれを信じているなら、あなたはピエロです。」

 

 

この不可解なやり取りを見た報道陣からは、マンティーシャ記者に注目が集まることとなった。

 

「取り乱したってことは、何かあると思ってもおかしくはないよね。ペルー側の印象操作とも思われる、このニュースの出し方。」

「その裏に何があるのかは、今回のやり過ぎを見ればわかるから。
実際にペルーにおいて、メキシコのミイラを分析した博士がいるから、話を聞きに行ってみようか。」

 

そこで、更なる真偽を確かめに、監察医のルイス・ベラ博士を訪ねた。

ルイス博士はメキシコのミイラを分析したベルー調査チームの1人である。

 

「先生がその調査した内容というのはどういう感じだったんですか。」

「骨の構造が人間とは異なっており、人類以外の生命体で間違いありませんでした。」

「さらに胸には、オスミウムという金属でできたプレートが付いていたのですが、我々人類がオスミウムを発見したのが、わずか150年ほど前なので、不思議でした。」

 

 

「オスミウム、我々人類がそのオスミウムの発見は150年ぐらい前で、
だけどそれを遡ること1000年前ぐらいに、なぜこの生命体はもう体内につけているのかってことですよね。」

 

「DNAってどうだったんですか。」
「地球上の全ての生命体と異なるDNAをしており、宇宙人と考えてもおかしくはないでしょう。」

「いやいやでもいやいや宇宙人と考えてもおかしくない。ね。いや本当にそうでしょうね。」
「ペルー政府がこれに対して偽物だっていう話をしたじゃないですか。」

「ペルー政府が調査したのは、私が分析したミイラではなく、民芸品です。」

「でもそもそもね、その針金だったりね紙でできてるものをね、国立大学とかが調査するわけないもんね。」

 

そして、さらに関が向かったのは、ペルーのナスカ。
メキシコのミイラが発掘されたという現場へ。

「オラ、レアンドロさん、レアンドロさんですよ。」

 

こちらはミイラ発見者の1人、レアンドロ氏。

 

 

「そのときの状況って教えてもらっていいですか。」
「最初はこの一帯から金が発掘されるということで調査に行きました。
しかし、奥地へ進んでいくと、一つの洞窟を見つけました。
不思議に思って入ってみると、そこにミイラがあったのです。」

 

「実際その洞窟は見ることできるんすか。」
「もちろんです。あそこの山の頂上あたりです。ご案内しましょう。」

 

金が採掘されたという山々の一体。
しかし、なぜここナスカの人々は、わざわざこの場所を選び、何を思い、ミイラを埋葬したのだろうか。

 

山の中腹までたどり着く。
しかし、この急斜面の先に、本当に洞窟は存在するのか。

 

「これが洞窟です。ここでミイラを発見しました。今は他の人にわからないように、岩で隠してあります。」

 

およそ1000年もの間、発見されなかった洞窟。

「本当にはすごいじゃない。ここの洞窟の中に埋葬されてる形でいるってことですもんね。」

 

発見当時この一帯にはない珪藻土で、洞窟はいっぱいに埋められていた。
それを全て掻き出したところ、埋葬されたミイラが見つかった。

 

「すごいな。ここに実際何体ぐらいあったんですか。」
「この洞窟では6体の人型のミイラを発見しました。」

 

レアンドロ氏によると、
このような形でマリアと呼ばれる一体のミイラを取り囲むように複数のミイラが埋葬されていたという。

しかし、なぜこのような発見に対し、ペルー政府の調査は懐疑的なのだろうか。

 

レアンドロ氏は語る。

 

「ペルーは政教分離していないカトリックの国です。
なので、宇宙人の存在をまだ認めるわけにはいかないのでしょう。」

 

後編は↓

 

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