呪術廻戦 民俗学

【呪術廻戦】帳とは?民俗学から読み解く帳の意味・効果。登場シーン一覧

呪術廻戦面白いけどさ、帳ってなにさ?
意味は?効果はあるの?そもそも一般人には呪霊は見えないんじゃないの?

ベイビー・リトル
ベイビー・リトル

そういう疑問に民俗学の視点もおりまぜながら答えていくぜ

 

【呪術廻戦】帳の意味や効果を民俗学の視点を交えつつ解説する

 

呪術廻戦に出てくる帳とは?

・帳とは結界術の一種
術式の一種であるが、当人の努力でまだどうこうできる(要センス)
領域展開の要素も含んでいる
・帳の条件に組み込めるのは、呪力を持つモノのみ
・帳を下ろす意味は「一般人(呪力をあまり持たない人)から穢れや恐れを遠ざけるための結界」の役割を持つから

 

帳とは結界術の一種

 

帳とは結界術の一種であり、”術式”です。
作中で”術式”といえば生得術式のことを指します。
生得術式とは生まれながらにその身に刻まれる術式のこと。血によって受け継がれます。
生まれながらにその体に刻まれる生得術式は先天的な要素が強すぎて努力で習得などはほぼ無理です。

 

ベイビー・リトル
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才能大好き御三家と言われる所以だぜ

帳は術式の一種であるが、当人の努力でまだどうこうできる(要センス)

 

出典:芥見下久「呪術廻戦」

しかし結界術の場合は当人の努力次第でまだどうこうできる余地はあります。
とはいえセンスが要求されるのは事実。
”強い”からと言って結界術も堪能とは限りません。
しかも結界術は領域展開の要素を多分に含んでいるため、苦手だと領域展開習得に差し障りがありそうです。

 

ベイビー・リトル
ベイビー・リトル

五条悟は”強い”し結界術もいけるぜ。

 

ベイビー・リトル
ベイビー・リトル

伏黒も領域展開を習得していたし、
器用そうだからうまくこなせると思うぜ。
ガサツそうな釘崎は……笑

 

 

帳の条件に組み込めるのは、呪力を持つもののみ

 

そして帳の条件に組み込めるのは、呪力を持つモノのみ。
例えば呪霊人間(一般人でも多少は呪力を持っている)呪詛師(悪い呪術使いのこと)呪具など。

 

だから作中に「五条悟の侵入を拒む代わりにその他すべての者が出入り可能な結界」という条件を付与した帳も登場しました。

 

作中で帳が降りたことにより、電波が遮断されて外部と連絡が取れない、
そんなシチュエーションが登場しました。

 

出典:芥見下久「呪術廻戦」

 

あくまでも帳の成否の条件に組み込めるのは呪力を帯びたものだけです。
なので電波を通す、通さないは選択できません。
電波が遮断されたのは帳を下ろす副次的な効果です。

 

 

ベイビー・リトル
ベイビー・リトル

要はおまけみたいなもんだ。
電波を通す・通さないは術者が選択できないぜ

 

 

帳を下ろす具体的な意味とは?

 

出典:芥見下久「呪術廻戦」

 

ベイビー・リトル
ベイビー・リトル

帳を下ろし忘れた五条にはこのあとゲンコツが待ってたぜ

帳を下ろす意味は「一般人(呪力をあまり持たない人)から穢れや恐れを遠ざけるための結界」の役割を持つから

 

帳とは、「一般人(呪力をあまり持たない人)から穢れや恐れを遠ざけるための結界」と私は結論付けます。

 

帳を下ろす具体的な効果は、

1,呪術師たちを外から(つまり一般人から)見れなくする
2,穢れを外に出さない結界としての機能

 

2,の根拠は民俗学の知識を交えつつ後で解説します。

 

1,呪術師たちを外から(つまり一般人から)見れなくする
2,穢れを外に出さない結界としての機能

 

?

この2つの効果があるからって何かメリットあるん?

という疑問に答えるには、まず呪霊の成り立ちを理解しないといけません。

 

帳を下ろす意味にも通じる、呪霊の成り立ち

 

出典:芥見下久「呪術廻戦」

 

呪霊は人間から漏れ出た呪力によって誕生します。
呪力とは人間の負の感情。恥辱や憎しみ、殺意などです。
つまり呪霊とは人間の負の感情が生み出します。

 

では人間は一番畏怖するものはなんでしょうか。
それは人智が及ばない天災です。
人間にはどうしようもない天災などは太古の昔から、恐怖の対象でした。
荒れ狂う天気を鎮めるために人身御供などをするのはむしろ一般的です。

 

少し話題が代わりますが、「天気の子」を皆さんは見ましたか?
「天気の子」のヒロイン、天野陽菜とよく似た伝承が中国の地方に残っています。
名を「掃晴娘(そうせいじょう)」と言います。

 

中国の村が連日続く雨により水害に陥っていた。村に住む少女、掃晴娘は、雨の神である龍神に雨を止めてくれるよう祈った。すると、天上から龍神の妃になるならば雨を止めるという声が響き渡った。掃晴娘はこれを承諾し、雨は無事に止んで空は晴れ渡った。掃晴娘は天に昇ったためどこにも姿が見えなくなった
【引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8E%83%E6%99%B4%E5%A8%98】

 

「天気の子」と多くの共通点が見られると思います。
このように、太古から天災は人にはどうしようもない部分でした。
なので人外の存在にお供えをし、鎮まるよう祈るのがごくごく自然でした。

 

 

ベイビー・リトル
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昔の日本では、建物を建てるときに地鎮祭(その土地の神様を鎮める)を行うために人を埋めることもままあったぜ。たまにニュースで白骨化した死体が建物の下から出るのは、そういうことだ。(もちろんリアルガチ殺人事件の可能性もある)

 

 

呪術廻戦でも天災から生じた呪霊はその強大さゆえに、まず先に知恵をつけ、隠れながら力を蓄え、呪霊の世界を作ろうと虎視眈々と機会を狙うほど狡猾に描かれています。

 

ベイビー・リトル
ベイビー・リトル

陀艮(だごん)、花御、漏瑚だな

 

というわけで、呪術師たちを外から見れなくしてどうするん?
という疑問に答えます。

 

帳をおろす理由は?

 

一般人(呪力をあまり持っていない人)の心の安寧を保つため、です。
これは作中で夏油も言っています。

 

夏油曰く「呪霊の発生を抑制するのは何より人々の心の平穏だ。そのために目に見えない驚異は極力排除しなくてはならない」

 

なので恐怖を抱くきっかけになる可能性がある呪術師のバトル、呪霊からにじみ出る穢れ、などを帳などで覆い隠すわけです。

 

これを持って一般人への影響を最小限に抑え、新しい呪霊の発生を抑制する。
それが帳の意味であると考えます。

 

帳の言霊(呪文)「闇より出て闇より黒く。その穢れをみそぎ祓え」を民俗学から読み解く

 

出典:芥見下久「呪術廻戦」

帳を下ろす具体的な効果の、
2,穢れを外に出さない結界としての機能

 

を説明します。
後半の「穢れをみそぎ祓え」に注力して解説します。

 

帳の文言は「闇より出て闇より黒く。その穢れをみそぎ祓え」です。
ここからは、

1,穢れとは?
2,禊とは?

 

の2つに分けて解説していきます。

 

帳「穢れ」と民俗学

 

穢れとは?

 

穢れとは人間が嫌悪感を抱くすべての事象です。
代表的なものは”死”でしょう。
体が腐敗していき、うじがたかる。そのおぞましさを忌避する。
穢れ、とはそういうものです。

 

ベイビー・リトル
ベイビー・リトル

感覚的な話ですまないと思ってるぜ

 

 

出典:「淡路島観光ガイド・あわじナビ

 

禊とは穢れを祓い落とすことです。
禊を初めて行ったとされるのは、イザナギノミコト
黄泉の国(あの世)に行ってしまった妻、イザナミノミコトを連れ返すため、黄泉の国に乗り込みます。そして有名な「見るなのタブー」

 

黄泉の国の偉い人と交渉するイザナミノミコト。
彼女は夫に対して「交渉中は決して覗かないでくれ」と頼みます。
しかしイザナギノミコトは覗いてしまいます。

 

そこにはうじが湧き、肉がただれ、双眸には深い穴が開き、かつての面影は微塵もなくなってしまった妻がいました。

 

そして命からがら逃げてきたイザナギノミコトは”禊”を行います。

 

 

ベイビー・リトル
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ちなみに妻は報復として1000人毎日殺すわ!
と言うが、夫はだったら毎日1500人産むわ! と夫婦喧嘩を始めるぜ

 

 

ベイビー・リトル
ベイビー・リトル

ちげえそこじゃねぇんだ

 

帳「禊」と民俗学

・”禊”とは穢れを払う手法
・私達が思っている以上に、私達は穢れている
・禊の種類にも色々ある
・鳥居や手水舎
・滝行や水浴び、清めの塩など
 
 
・”禊”とは穢れを払う手法
・禊の種類にも色々ある

 

”禊”とは穢れを払うために行います。
穢れをみそぎ払う方法は数多くあります。

 

穢れを払う方法① 神社の鳥居と手水舎(ちょうずや)

 

出典:伏見稲荷大社

 

神社の鳥居。神社は神様がおわす場所。
対して、神域の外、つまり私達人間が住む世界は穢れにあふれている世界。
私達人間も穢れで汚れていると考えられています。

 

そこで神社に鳥居を設けることで、穢れを神社に持ち込ませない結界の意味をもたせています。
そして完全に落としきれない穢れを、手水舎をもって完全に払う
ここまで穢れを落とすことによって、初めて神様と対面する準備ができます。

 

なので鳥居の下をくぐることで私達から穢れを祓い、
神域(神社境内)を神聖に保つ意味があります。つまり鳥居は一種の結界ですね。
しかも鳥居をくぐったら完全に穢れが落ちるわけではなく、手水舎(ちょうずや)で更に穢れを祓います。

 

手水舎の使い方(つまり穢れの落とし方)

 

 

まず酌を右手で持ち、左手を清めます。
次に持ち替えて右手を清めます。
次に右手で持ち直し、左手に水を注ぎ、その水を使って口をすすぎます。右手で持ったまま、左手に水を注ぎ清めます。

 

 

ベイビー・リトル
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ちなみに手水舎の水盤には「洗心」と彫られているぜ
意味は、清めた手で口をすすぐことで「魂(心)すら洗い清める」ということだ

 

 

そして最後に酌の柄にも水を流し清めます。
つまり私たちが持った柄も洗い流すということです。
神様からしたら私たちはそこまで穢れに満ちているということです。
ここまでやって、初めて神様と対面する準備が整います。

 

・私達が思っている以上に、私達は穢れている

 

?

え、私ちゃんとお風呂入ってるけど?
そこまで汚れてないよ?

 

ちゃうんすよお姉さん……。

 

”穢れ”とは表面的な汚れではなく、心(魂)、つまり内面的な汚れを指します。
なので体を洗っていようがいまいが、専門的な儀式である禊を行わないと穢れは払えません。

 

日常的に”禊”を行っていない我々は、自分たちが思っている以上に穢れています。
この事は灯明を息で吹き消していけない理由や、司祭者が榊の葉を加えて儀式を行う理由にあらわれています。

 

・灯明を息で吹き消してはいけない理由

 

出典:信州とっておき情報

なぜ灯明を息で吹き消してはいけないのでしょうか。
まず灯明とは神仏に捧げる神聖なる火のこと
仏壇にも灯明を灯すための燭台があります。
古来より火は穢れを払うとされ、そのため、神仏のいる空間を清浄に保つために火を捧げるようになりました。

 

なので理由は単純、人間は穢れていますので、その人間から出た息も穢れていると考えるからです。その穢れた息をもって、神仏に捧げる炎を吹き消すのはとても無礼なこととなります。

 

・なぜ司祭者は榊の葉を口に加えて儀式を行うのか

 

次に司祭者が榊の葉を加える理由です。
これも榊の葉を加えることで息を外に出さないように、また、出ても榊の葉で清浄にするためです。

 

それとよく巫女が神様への捧げものを頭の上にあげて運ぶシーンがあります。
それもやはり人間の息が捧げものにかからないように、という配慮からです。

 

穢れを払う方法② 水で清める。塩で清める。

 

穢れを払う方法として水を用いるのは、もっともポピュラーな方法です。
例えば滝行。あとは海水などを浴びて心身を清める方法も存在します。
これらは水垢離(みずこり)と言って、水を用いて体を清める手法の一種です。

 

今では体を清める、あるいは穢れを払う、の代表格といえば”塩”でしょう。
お葬式の帰りに塩の入った小袋を渡される経験をしたこともある人がいると思います。
これは上記のように、”死”とは人間が忌避する”穢れ”だからです。

 

その穢れを家に持ち込まないように必ず軒先で塩を振り、家に入ります。

 

この清めの塩ですが、もともとは海水で体を払っていました。
しかしいちいち海水を組んできて浴びるのは手間がかかります。
そこで海水から海藻で体を払うようになり、そして今では塩を振って穢れを払うようになりました。

 

なので塩で体を清めるのも、水垢離の一種と言えるかもしれませんね。
さて、ここで帳の言霊「闇より出て闇より黒く。その穢れをみそぎ祓え」に立ち返りましょう。

 

情報をまとめます。

1,帳は結界術の一種である
2,帳は穢れをみそぎ払う

 

上記2点を踏まえて考えると、帳とは神社の鳥居のような役割を果たすと考えられます。
つまり禊を払う役割を担いつつ、穢れを封じ込める役割です。
これにより一般人(あまり呪力を持たない人)を穢れから守り、心の平穏を保つことで次の呪霊の発生を抑制する。

 

以上が帳を下ろす意味の2,穢れを外に出さない結界としての機能
という結論に至った根拠になります。

 

なので一般人が多いシーン(住宅街)などでは帳を下ろす理由にも繋がりますね。

 

嘱託式の帳とは?メリットってあるの?

 

嘱託の意味:頼んで任せること

 

帳を下ろす際に必要になるものは下記の通り

1,呪力
2,術式
3,言霊「闇より出て闇より暗く。その穢れをみそぎ祓え」

 

術式を0から組み上げ、呪力を流し言霊を乗せて発動する。
これが帳を発動する一連の流れです。

 

この一連の流れを他者にお願いして発動するのが、嘱託式。
「交流戦編」と「メカ丸vs真人」と「渋谷事変」などでこの嘱託式の帳が登場しました。

 

夏油曰く「嘱託式の帳の調整も終えた。呪力や言霊こと他者に託して問題ない」
なので呪力や言霊を事前に仕込んでおくことで、他者に託せる。
これが嘱託式の帳です。

 

術式が夏油のセリフに入っていないのは、帳の術式っていうのは広く一般化しているからのような気がします。最も基礎的な帳の術式が、教科書なんかで教えられているのではないでしょうか。

 

ベイビー・リトル
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上記は私の想像だぜ

 

嘱託式の帳のメリット

1,自分が帳を下ろす場にいなくてもいい
2,優れた結界術の使い手に依存しない

 

自分が帳を下ろす場にいなくてもいい

帳を下ろす際にその場にいなくてはいけない、という決まりは作中には出てきていません。
ただ帳を下ろすシーンを見ていると、自分を起点にしていることに気づきます。

 

ベイビー・リトル
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想像になるが、自分より極端に離れた場所に帳を下ろすのは難しい(or不可能)なんじゃなかろうか。

 

「渋谷事変」では、特級呪霊はこぞって対五条戦にあたっていました。
仮に夏油が帳を下ろす要因として他の場所に出張っていたら、五条悟の封印は確実にうまくいってなかったことでしょう。

 

”強い”存在は替えが効きにくく、人材価値が高いです。
嘱託式の帳を弱い存在に託し、強い存在はより重要な局面に立ち会う。
素晴らしい人材管理です。

 

優れた結界術の使い手に依存しない

一人の術師が同時に何個の帳をおろせるかはっきりしていません。
しかし嘱託式の帳を複数、術師を複数用意することで、同時に任意の数の帳を下ろす事ができます。

 

ベイビー・リトル
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しかもそれらの帳は様々な条件を付与した、一流の手による特製だぜ

 

つまり一人の優れた結界術の使い手に依存することがなくなるわけです。
これは作戦の成否を大きく左右するでしょう。

 

次は作中で帳を使用したシーン一覧になります。

 

帳登場シーン一覧

 

第1巻 6話「呪胎戴天(じゅたいたいてん)」

 

・使用者 伊知地潔高(補助監督官人)

 

6話「呪胎戴天(じゅたいたいてん)」では伊知地潔高が帳を使用していました。
この時の帳は特に追加効果はなく、ニュートラルな帳でした。

 

第3巻 25話「固陋蠢愚(ころうしゅんぐ)」

 

・使用者 真人(呪霊):領域展開習得済み

 

25話「固陋蠢愚(ころうしゅんぐ)」では真人が帳を使用していました。
ちなみに夏油とその時一緒にいたのですが、真人が帳をおろしています。

 

夏油は残穢(呪力の痕跡)を残すわけにはいかなかったためです。
その理由は渋谷編で五条悟を封印するために、自分が存在していることを知られては計画が破綻するためでした。

 

効果は「(呪力を持つものすべて)内からは出られない。外からは入れる」というもの。
なぜこの効果で帳をおろしたかと言うと、このときの真人の狙いにあります。

 

この時の真人の狙いは、「吉野純平と虎杖悠二をぶつけて、宿儺優位の縛りを科すこと」にありました。
要は虎杖が外部から侵入できないと、真人の狙った画が作れないわけです。

 

第6巻 45話「賢者」

 

・嘱託式の帳を使用

45話「賢者」では嘱託式の帳をおろしていました
この帳は視覚効果より術式効果を優先しているものです。
つまり中で何が起こってるかわからなくする(視覚効果)よりも、術者を入れさせない(術式効果)を優先させた帳だったわけです。

 

 

しかも「五条悟の侵入を拒む代わりにその他すべての者が出入り可能な結界」でした。
これには思わず五条も「よほど腕の立つ呪詛師がいる」と称賛するほど

 

このとき呪霊側には結界の外にいる真人を本命とする、別の目的がありました。
ではなぜこの時五条悟を結界内に閉じ込めなかったのでしょうか。

 

それは結界外にいる五条悟には結界に入ることに注力してほしかったからです。
つまり五条悟も帳で閉じ込めると外に出ることに意識が向きます。つまり帳から脱出することが目的になるわけです。

その結果、帳外にいる本命の真人にも注意が行く可能性がありました。

 

結界の外においておけば、帳の中に入ることが目的となり、本命の真人を隠せたわけですね。

 

第10巻 80話「宵祭り」

 

・使用者 夏油(呪霊?):領域展開習得済みか不明

 

80話「宵祭り」では夏油が帳をおろしていました。
帳は電波を通しません。
これによりメカ丸は作中最強の五条悟に助けを求めることができませんでした。

 

夏油が帳を担当したのは残穢を残しても問題ないと判断したからでしょう。
メカ丸本体は同じ学校の仲良し、三輪ですら場所も知らなかったので、おそらく知っている人はいないのではないでしょうか。

 

五条に助けを求めるつもりでありながら、自分の居場所を明かさなかったことから相当慎重なことが伺えます。それもそのはずメカ丸は天与呪縛で自身の肉体はとても脆弱です。

 

自身の居場所がバレることはすなわち死を意味する、と言い切ってもいいかもしれません。
天与呪縛で体にハンディを負った人間の注意深さがよく現れているシーンでした。

 

じゃあなんで夏油・真人には居場所を明かしたんだよ?
という声も聞こえてきそうです。
その理由は”縛り”の拘束力の強さ、そして体を直してもらった暁に勝てる勝算がメカ丸にあったからでしょう。

 

第10巻 83話「渋谷事変①」

 

出典:芥見下久「呪術廻戦」

・嘱託式の帳を使用
・4つの帳が入れ子になっている
・一番外側が「一般人を閉じ込める帳」
・その一つ内側が「術師を入れない帳」
・更に内側が「五条悟を閉じ込める帳」
・一番内側が「一般人を閉じ込める帳」

 

83話「渋谷事変①」では複雑で1つの帳の中に3つの帳が展開されています。
一番端が、「一般人を閉じ込める帳」
一番外に一般人を閉じ込めている理由は、おそらく欠員補充のため。
そして「五条悟を連れてこい」と叫ばせ、メッセンジャーの代わりをしてもらうため。

 

ベイビー・リトル
ベイビー・リトル

呪霊側が渋谷事変を起こしたのは五条悟を封印するためだぜ

 

その内側にあるのが「術師を入れない帳」
余計な邪魔が入らないように、でしょう。
更にこの帳を下ろした呪詛師が「一般人を閉じ込める帳」と「術師を入れない帳」の間にいます。
これによって呪詛師は術師に倒されるリスクが高まります。
このリスクを受け入れる代わりに「術師を入れない帳」の強度を高めています。

 

 

 

更に内側にある帳が「五条悟を閉じ込める帳」
目的が五条悟の封印なので、彼に逃げられたら意味がないですからね。

 

一番内側にあるのが「一般人を閉じ込める帳」
”最強”の五条悟は、他の術師ですらみな足手まといです。
術師以下の一般人を戦闘の場に置くことで足かせとし、呪霊優位の戦闘を作るためにこの帳を下ろしています。

-呪術廻戦, 民俗学