いよいよアニメが放映されるゴールデンカムイ!
僕は一巻の頃から追っています!
正直な話アニメ化するとは思っていませんでした笑
あのマンガは変態が数多く登場するのですが、地上波で流せるとは思っていなかったからです。
いやーゴールデンカムイのテレビアニメ決定が報道された時、しこたまびっくりしましたよ。
変態×明治浪漫につまったマンガなので、ぜひ見てみてください。
さて、今日の記事はそんなゴールデンカムイを楽しむための周辺知識です。
ゴールデンカムイの舞台は明治時代末期、北海道を舞台にした作品です。
日露戦争終わりであり、国内は戦争の疲労が色濃く残っている状態。
そういった周辺知識を学んでおけば、ゴールデンカムイはもっと面白くなるんです!
と言う訳で早速行きましょう!
目次
ゴールデンカムイあらすじ&魅力
引用:ゴールデンカムイ
かるーくゴールデンカムイのあらすじを紹介します。
知っている人は読み飛ばしちゃってください。
「不死身の杉元」と呼ばれた日露戦争の英雄・杉元佐一は、除隊後、一攫千金を狙って北海道で砂金採りに明け暮れていた。そんな折、杉元は現地で出会った中年男に、アイヌから奪われた埋蔵金の話を聞かされる。
埋蔵金を奪った人物は網走監獄に収監中で、同房になった脱獄囚たちに埋蔵金の在り処を示す刺青を施したというのだ。当初はホラ話と思っていた杉元だが、その後の出来事によって話はにわかに真実味を帯びはじめる……。
とまあ残念ながらあらすじでゴールデンカムイの魅力の全ては伝わらないわけです……。
この作品の魅力は奇人変人ひっくるめた大量の変態達と、アイヌグルメ、敵対する鬼の副長・土方歳三、大日本帝国陸軍第七師団の連中などが入り乱れる金塊争奪冒険記となっております。
敵の連中もFar Cryに出てきそうなほどぶっ飛んだ連中が多く、非常に魅力的です。
主人公の杉元佐一はジョジョ4部の億泰なみに手が早いので痛快ですしね。
引用:ゴールデンカムイ
杉元佐一は親友から託された梅子という女性の目の治療のため、金塊を追い求め。
帝国陸軍第七師団の連中は、戦友や戦死した遺族を窮状を救うために金塊を。
そして土方歳三は新選組を再建するため(?)金塊を追います。
ゴールデンカムイはめちゃくちゃ史実に忠実にキャラが作られています。
例えば「不死身の杉元」と言われる主人公の由来。
鶴見中尉の頭が吹っ飛んだきっかけである奉天会戦など。
日本帝国陸軍第七師団が金塊を追い求める理由も、歴史が元になった動機です。
もちろん知らなくても楽しめるわけですが、こういった周辺知識があると話に深みが出ますし、
キャラ達の動機がはっきりするのでよりキャラ達に魅力が出ます。
ここら辺はテストには出ませんが、日露戦争は白人至上主義の世界にくさびを打ち込んだ戦いでもあります。知っておいて損はないですよ。
というわけで早速ゴールデンカムイの周辺知識の解説に移りましょう!
ゴールデンカムイ周辺知識解説
なぜ「不死身の杉元」と呼ばれたか?
引用:ゴールデンカムイ
まずは主人公の杉元佐一から。
彼は作中では「不死身の杉元」と呼ばれ、日露戦争で鬼神のごとき戦いで敵を殺しました。
それは味方内でも畏敬の対象となるほど。
死ななかったから「不死身の杉元」と呼ばれているのか?
だとしたら日露戦争帰りの連中はみなそう呼称されているはずです。
なぜ彼がそう呼ばれているのでしょうか。
その理由は一番激しい戦いであった[marker color="pink"]203高地[/marker]に突撃していった第一師団所属だったからです。
203高地を説明する前に、まずは日露戦争へと至った経緯を見ていきましょう。
日露戦争あらすじ
日露戦争は大国と小国の戦いです。言わずと知れた大日本帝国vsロシア帝国との戦い。
日露戦争のちょっと前、日清戦争で勝ち取った遼東半島は三国(ロシア・ドイツ・フランス)の干渉により、手放すことになりました。
この事から、日本はロシアを仮想敵国と決め、軍備の増強に努めるように。
ふざんけよくそがっっ!! って事ですね。
合言葉は[marker color="blue"]「臥薪嘗胆」[/marker]
意味は「薪の臥所に寝てその痛みを感じる、クマの肝を嘗めてその苦みを味わう」
痛みを感じ、苦みを味わうことで仇を打つことを忘れないようにするって事ですね。
当時ロシアは[marker color"blue"]不凍港(凍らない港)[/marker]を求め、南下政策に夢中でした。
簡単に言うと南に下って植民地として支配地を広げていたって事です。
ロシアはご存知の通り非常に寒いので、厳冬期になると港は凍り、その機能が使えなくなるのです。
こうなれば整備をすることも物資の積み込みもできませんので、まったく使い物になりません。
不凍港の獲得はロシアの悲願と言えるでしょう。
そんなわけでロシアは満州(現在で言う中国の北東部)を次々と南下しつつ実行支配していきました。
引用:日露戦争特別展
[marker color="pink"]日本が恐れたのは、ロシアがそのまま勢力を強め、朝鮮や清国までも支配下に置いてしまう事。[/marker]
上の図だと朝鮮は今の場所。そのすぐ横らへんに清国はありました。
当時は市場確保や香辛料、鉱物資源などを求め、強国が弱小国を支配下に置くことがまかり通っていました。
日本も強い国を目指し、他国に植民地がほしかったわけです。
なので日露戦争の舞台は満州。
日本ではなく、中国の方ですね。
なので海軍の軍備増強が必要でした。
兵員や物資の輸送は海を渡って行われるので、制海権の獲得がかなり重要だったからですね。
当時ロシアは無敵艦隊と呼ばれるバルチック艦隊を保有していました。
しかしロシアは地政学的に3方面に艦隊を維持しておく必要があったんです。
幸いな事にバルチック艦隊は日本から遠い場所に配備されている艦隊であり、
極東まで来るのに数か月はかかると予想されていました。
日本軍はこれを受け、十分に勝機があると判断します。
そしてついに朝鮮へ支配を伸ばしてきたロシア。
日本はロシアへ国交断絶を告げ、戦争へとかじを切っていくことになります。
旅順攻略~203高地まで
引用:日露戦争特別展
日本は制海権の獲得は必須とさきほど説明しましたね。
ロシアは日本側にも艦隊を保有しており、それは旅順港で管理していました。
日本としてはバルチック艦隊と旅順港に配備されている艦隊が合流し、
日本の艦隊が攻撃されたらひとたまりもないわけです。
なのでバルチック艦隊が合流する前に、
旅順港に配備されている艦隊をつぶしておきたかったわけです。
しかしロシアの艦隊は旅順港から出てこず、日本海軍は決定的な打撃を与える事ができずにいました。
そんなわけで直接艦隊をぶったたこうと、目標を旅順へと変更しました。
[marker color="green"]この旅順に203高地があったわけです。[/marker]
この地域は港もあるので、備えはばっちり!
完璧に要塞化は済んでおり、五か月ほどで攻略するのですが、ロシア軍はこのスピードに脅威を覚えたほどです。
まず堡塁と呼ばれるコンクリートで作られた半地下のトーチかが配備されていました。
その中には機関銃が備え付けられており、突撃を繰り返す日本軍の多くが犠牲になりました。
また行軍の速度を遅らせる鉄条網・落とし穴・地雷原などを敷設。
[marker color="pink"]足止めをくらっているうちに機関銃の掃射。[/marker]
当時は戦車なんて物はありませんから、歩兵だけでこれを突破する必要がありました。
日本軍はなだらかな坂を上っていく事になるので、いい的だった事でしょう。
「敵味方の区別なく同時に粉砕され、首まい腕まい……」という言葉も残っています。
堡塁を壊す頼みの綱である砲撃も、まったく意味がなかったそうです。
幾度となく砲弾を補給し、数十万発と打ち込むも壊れた堡塁はありませんでした。
ロシアは非常に堅牢に堡塁を築いていたってわけですね。
ラチがあかず、いたずらに日数が経つ日々。兵員も日々数を減らしていっています。
そこでかねてから要請があった203高地を攻める事にしました。
今までは203高地? 攻める必要なんてねーよ。
と満州軍総司令部が判断していたからなんですね。
ただ203高地は旅順港内を見渡せたのです。
この場所に観測班を置けば正確な砲撃をロシア艦隊にお見舞いできるってわけです。
じゃあさっさと203高地攻めればええやん?
と思う人が大半だと思います。まったくもってその通りだと思います。
しかし機関銃が備え付けで運用されたのは日露戦争が初めてで、その効果が非常に高かったのですね。
日本軍の上の方々はもっと早く占領できると思っていたのでしょう。
そんなわけで203高地に目標を変更。
ゴールデンカムイでも「203高地で合っていたかもしれないな」と言うセリフがあります。
このセリフは杉元佐一(第一師団)と帝国陸軍第七師団所属の軍人との間で交わされたものです。
[marker color="pink"]これをちょっと覚えておいてください。[/marker]
そしてついに203高地へ突撃へと移ります。
突撃に任命されたのは一番近くにいた第一師団。なんとも適当な理由ですね笑
他の箇所と比べ、堡塁もなく占領はたやすいと思われましたが、そんな事はありませんでした。
一時は頂上占領するものの、ロシアの猛攻により取ったり取られたりを繰り返す一進一退の攻防でした。
ついには山のふともまで撤退を余儀なくされる始末。
もうすでに二回の総攻撃で失敗していますから、203高地でなんとしても結果を出さなくてはなりません。
というわけで予備軍として控えていた第七師団を投入。
こうして203高地を占領。ゴールデンカムイで2人が交わした言葉は、しっかりと史実に基づいているのです。
203高地を奪取するために第一師団と第七師団は共闘したという訳です。
不死身の杉元と呼ばれる所以。
引用:ゴールデンカムイ
作中では「死地に飛び込み活路を見出す」からこそ不死身の所以という説明があります。
もちろんそれも理由でしょうが、僕的にはあの激戦区を生き抜き、かつ戦果を挙げたから「不死身の杉元」と呼ばれる理由だと思っています。
現に気に入らない上官を半殺しにしていなければ、金鵄勲章がもらえていたと言う説明があります。
金鵄勲章とは日本唯一の武功勲章と言われ、武功のあった軍人にのみ授与されていました。
大変名誉ある勲章だったみたいですね。
しかも金鵄勲章が授与されると年金ももらえたようです。
上官を半殺しにしなければ年金で暮らしていけたのに……笑
鶴見中尉のケガの理由。奉天会戦
引用:ゴールデンカムイ
鶴見中尉はなかなかぶっとんでいる敵ですね。
帝国陸軍第七師団を率いています。
何と言っても彼のトレードマークは額当てでしょう。
その額当ては頭蓋骨全面・前頭葉の一部を吹っ飛ばされたために着けています。
引用:ゴールデンカムイ
たまーに汁がそこから流れてくるのだとか……。
ケガをした理由は奉天会戦という、日露戦争の戦いの1つのせいなんです。
では早速奉天会戦の解説に入っていきますよ。
奉天会戦とは
無事旅順を攻略でき、旅順港にいた艦隊を殲滅できた日本陸軍は、北上を開始します。
そして何度か小競り合いを続けますが、ロシアは大した交戦をせずに後退を繰り返します。
そしてとうとう奉天が目前へと迫ってきました。
引用:日露戦争特別展
そんな奉天には川が無数にあり、[marker color="blue"]氷が溶けない内に渡河する[/marker]必要がありました。
氷が溶けてしまうと当然行軍の速度は落ち、いい的になってしまいます。
ロシア側としてはなんとかしてここで防衛線を築き、日本軍の足止めをしたいわけです。
それにロシアはシベリア鉄道がありますから、兵員の補充や物資の補給は容易に行えます。
しかし日本は海を渡らねばならなく、また兵員の余裕もありません。
持久戦になれば得をするのはロシアってわけです。
まさにここでロシアに壊滅的なダメージを与えなければ勝利はないと言える状況でした。
日本軍25万vsロシア軍31万の戦いの火ぶたはここに切って落とされました。
まあさすがに全部は説明できません笑
それに第七師団がどう動いたかの細かい説明のある書籍も見つける事ができませんでした……。
ただこの当時の戦場は大量に砲弾による砲撃戦がメインでした。
鶴見中尉が砲弾の破片を受けて負傷もしたのも頷けます。
さて、ゴールデンカムイとは直接関係はありませんが、
奉天会戦を決定づける経緯となった2つの事柄を説明しようと思います。
奉天会戦を勝利に導いた第三軍
第三軍とは旅順攻略をしていた軍の事です。
日本国内では5か月もかかりやがってと思われ、ロシア側ではわずか5か月で旅順を攻略したのか……。と言った評価だったらしいです。
実際に要塞を見ていない連中は低く評価し、実際に要塞を築いた連中は速さに驚いたようですね。
そんなわけで、[marker color="green"]第三軍はロシアでものすごく恐れられていました。[/marker]
まさかあの旅順がそんな短期間で、と言ったわけです。
その第三軍の効果は予想以上で、相手が第三軍だとわかると、布陣を変え兵力の大部分をそちらに注いだようです。
神風のごとく黄塵(砂嵐)
ロシアが予備隊を加え、大補強をしたロシア軍に押され気味であったその時。
まさしく神風と呼ぶべき黄塵が吹いたのです。
「ロシア軍はこの目つぶしの砂嵐を顔にまともにうけて戦わねばならなかった。而して日本軍はこの砂嵐の援護の元に、溶けかかった氷の上を渡河した。一日後には氷は割れて、大きな浮氷となった。露軍の砲火を冒してこれを渡ることは不可能であっただろう。まことに天は日本に味方した」
という言葉が残っています。
黄塵(黄塵)とは砂嵐のこと。今でいう黄砂ですかね。
あれを正面から受けたら目も開けてはいられないでしょう。
僕も経験あります笑
風の強い日にチャリ漕いでたんですよ。たまたまおっさんがトラクターで土集めている場所を通ったのですが、その時風が吹きました。
当然土は舞、息も絶え絶えにチャリ漕いでいた僕は土煙をたらふく肺に吸い込んでしまったのです。
まー死ぬかと思いましたね。
なぜ鶴見中尉は金のために戦うのか?
引用:ゴールデンカムイ
さて、戦争も終盤。
バルチック艦隊も撃破し(日本海海戦)、日本優位は間違いありませんでした。
無敵艦隊と恐れられたバルチック艦隊も散るときはあっけないもんです。
まず同盟国であるイギリスの妨害のおかげで日本に来るまでにバルチック艦隊は非常に弱っていました。
そこに度重なる演習で練度を上げた日本海軍の緻密な戦術により、バルチック艦隊は撃破。
ここら辺から[marker color="pink"]日本はアメリカに仲介してもらい、講和条約を結びたい[/marker]と考えていました。
制海権は手中に収めましたし、陸戦でも圧倒的な敗北はありませんでした。
ではなぜ講和条約を結びたいと考えていたのでしょうか。
なぜなら日本にはもうほとんど余力がなかったのです。
当時の日本の人口は4千6百万人、ロシアは1億3千万人ほど。
日本の歳入は2、5億、ロシアの歳入は20億ほど。
人口には三倍もの差があったわけです。歳入に至っては9倍ほど。
日本は兵力も財力ももう底をつきかけていたわけです。
なので日本海海戦で交渉を優位に進められる内に、講和条約を結びたかったのです。
[marker color="pink"]しかしロシアは講和条約をつっぱねます。[/marker]
まあ考えてみると当たり前の事ですよね。
確かにロシアの海軍はほぼ壊滅状態にありますが、戦争の継続に支障はありません。
なぜなら兵員や物資の輸送はシベリア鉄道を介して行えるからですね。
つまり上陸している日本軍を叩くだけなら海軍の戦力は必要ないわけです。
まだだっ! まだ負けてねえ!!
とロシアは思っているので、講和? んなの知るかよ。
てめえらを追い出せばそれでいいんだよ!
って事です。
でもまあ結局条約を結びわけです。
これはドイツの働きかけが最後の一押しになったようです。
というのもロシア皇帝とドイツ皇帝は親戚で、ドイツはロシアに軍艦を売りつけたかったのです。
戦時中に売りつけると面倒な事になるので、戦争が終わってからと言う訳です。
というのも当時日本はイギリスと日英同盟を結んでいました。
内容は、日本とロシアが戦争している間イギリスは中立を守る。
そしてロシア側のフランスやドイツが参戦してきたらイギリスが日本側に立って参戦することが決められていました。
当時のイギリスの影響力はすさまじく、
敵に回したくないと言うのが各国の思惑だったのことでしょう。
そんな裏事情もあり、ロシアもとうとう交渉のテーブルに着きました。
日本の記した条件は12項。
主なものは
・朝鮮の支配を認めること
・ロシアが清国から租借している地域の譲渡
・南満州鉄道の譲渡
・賠償金の支払い
などがありました。
このうち上3つはロシアは認めましたが、賠償金の支払いは認めようとはしませんでした。
彼らは負けたとは思っていないからですね。
そして最後まで[marker color="pink"]賠償金の支払いが認めない[/marker]まま、ポーツマス条約は締結されました。
この戦争でかかったお金は膨大であり、その多くは増税や国債で賄われました。
増税は直接国民の生活にのしかかってきますので、一大事です。
大した反対運動もなかったのは、国民が臥薪嘗胆のもと、ロシアへの復仇のために心を1つにしていたらからでしょう。
しかし賠償金が支払わなかったので、国民の生活は厳しいままです。
得たのは土地。でもすぐにはお金にはなりません。
そこで[marker color="green"]鶴見中尉は第七師団を率いて、旅順を戦い抜いた戦友・戦死した遺族のために金塊を追う[/marker]のです。
クレイジーに見えて情に厚いんですね鶴見中尉は。
さて、これで日露戦争とゴールデンカムイの関連性は説明したつもりです。
キャラや物語のバックボーンに日露戦争があるので、日露戦争の事がわかると格段に面白さが増します。
次ではゴールデンカムイに関連するおすすめのマンガを紹介していきたいと思います。
ゴールデンカムイ好きならこれも読め!おすすめマンガ集
めしあげ 明治陸軍糧食物語
時代背景はまさに明治時代末期!
主人公は飯を食うために陸軍へ志願した千歳という青年。
これは戦いの過程をめぐるというより、[marker color="pink"]糧食にフォーカスしたマンガ[/marker]となっております。
糧食とは携帯食料の事。今風に言うとレーションですね。
ゴールデンカムイに負けず劣らず、
しっかりと資料を読み込んで作っているそうなので、読んでいて興味深いです。
日露戦争の際、歩兵は何を食べたのか。どう調理したのか。物資の現地調達はどう行ったのか。
少し違う角度で日露戦争の事を知りたい方はぜひ読んでみてください。
アルキメデスの大戦
時代は日露戦争終わり、1929年。
列強諸国は植民地の拡大にいそしんでいるため、軍備の増強は必須事項でした。
しかし海軍は[marker color="pink"]大艦巨砲の思想[/marker]にとらわれていました。
大艦巨砲とは、簡単に言うと大きければ大きいほど戦艦は強いという思想です。
大きい主砲を取り付けるため、敵の砲撃に耐えられる厚い装甲を備えるため、次第に戦艦のサイズは巨大化していったのです。
大艦巨砲主義のきっかけはイギリスのドレッドノートという超弩級戦艦が始まりです。
ドレッドノートの着想のきっかけは日露戦争における海戦でした。
そこで斉射(着水地を観測し、照準を修正していく撃ち方)の有用性を認識したので、より射程が長く長距離砲戦に有利な戦艦として作られました。
しかし結局は航空戦力の登場により、巨大戦艦は容易に沈むようになっていきます。
主人公の櫂(かい)中佐はそう遠くない未来航空戦力が戦場を支配し、巨大戦艦を作るのは税金の無駄遣いだと言う、確信を持ちます。
大艦巨砲主義にとらわれた老害どもと戦い、巨大戦艦建造計画をつぶすよう、動き出します。
そのほかにも艦上戦闘機の設計に携わったりと、兵器開発に尽力します。
兵器開発の競争もまた戦争です。国から定められた指定スペックは厳しく、他国の建造した物より優れていなければならなく、安定性と完成度が求められるからです。
兵器がどう作られるのか、そのバックボーンが知りたい人にオススメできる作品です。
歴史のifを辿るのか、こちらも非常に楽しみです。
あおざくら 防衛大学校物語
第二次世界大戦が終わり、憲法が変わった事で徴兵制は廃止されました。
このマンガは防衛大学校の生活を描いたマンガです。
国防を担う彼らはどんな訓練をし、どんな生活を営んでいるのか。
明治の頃とはまた違うと思いますが、精神的なあり方は変わらないと思っています。
ゴールデンカムイとは趣きが違いますが、興味のある方はぜひ。
めちゃくちゃ厳しいのがマンガからでもわかります笑
あと巻末にあるそれなりのポジションにある人の解説なども面白いです。
ライジングサン
こちらも自衛隊のお話。
ただあおざくらは防衛大学校を舞台にしているのに対し、自衛官候補生のお話です。
防衛大学校は幹部自衛官を育成するのを旨とした学校です。
自衛官候補生とは自衛官の候補生。つまり卵の卵みたいな感じですね。
エリートコースを上るか、一兵卒になるかの違いです。
なので階級を上り詰めたい方は防衛大学校に入る事をおすすめします。
と言っても入るにもある程度の学力は必要ですし、入ってからも勉強・校友会・訓練と大忙しです。
ライジングサンはあおざくらよりもっと泥臭い感じです。
あおざくらとはまた違い、どちらもとっても面白いですよ。
ゴールデンカムイを見るもよし、上のおすすめマンガを見るもよし!
この時代はいいようの知れない浪漫がありますよね!!