
この記事は、面白い漫画を作りたいけど、どうすればいいかわからない!!
という人向けに記事を書いています。
目次
面白い漫画を描く上で重要な要素その① 共感
漫画には主人公が存在します。
漫画とは、その主人公を通して起こる出来事を追体験する娯楽だといえます。
これはゲームでも小説でも漫画でもアニメでも変わらない不変の心理です。
ではこの追体験によって得られる情報や感情の量は何によって左右されるのでしょうか。
それが、共感です。
どの程度主人公に共感しているかで、追体験の質が決まってきます。
主人公に対して共感すればするほど、主人公が感じる怒りや悲しみ、寂しさ、侘しさなどの感情はより純度の高いものになります。
どうでもいいキャラが死んでも心を動かす人は少ないでしょう。
ただ気に入っている人物が死亡してしまったらどうですか?
想像上の人物とはいえ、大いに悲しむはずです。
例えばラストオブアス2。
序盤でかなりショッキングなシーンがあり、中にはプレイすることをやめた人もいるほどです。
なぜそこまで感情を揺さぶったのかというと、主人公たちに旅を通じて前作、今作で共感を多いに育ててきたからです。
その過程があったので、賛否両論があるほどに深みのある展開になっておりました。
漫画の例で言うと、ハンター×ハンター。
キメラアント編の最後、メルエムとコムギの感動のシーン。
これも主人公サイドの敵であるメルエムでさえ、その最後を感動なものにできたのは、強く共感できたからです。
面白い漫画を作る過程で、共感ということの重要性を知って頂けたかと思います。
これから先では、共感を作るにはどうすればいいか、紹介していきたいと思います。
面白い漫画において重要な要素共感を作るには?
共感を作るには主人公を理解できる人物にする
人は、理解できる人には、好意を持ちます。
逆に理解できない人に好意を持つ人は少ないでしょう。
街中で奇行に走っている人に好意を抱いて、「友達になりたい!」と思う人はまさかいないでしょう。
友達になるのなら、趣味や嗜好や似ていて理解できる人のはずです。
この通り人は理解できる人には自然と好意を持ちます。
なので漫画のキャラに共感をさせるには読者に理解させないといけません。
では何を理解させればいいのでしょうか。
それはずばりその行動を起こした理由です。
バトル漫画であるなら、戦う理由。
スポーツであるなら、勝ちたい理由。
恋愛漫画であるなら、彼/彼女のことが好きな理由。
王道どころなら以上になります。
けれどもストーリーは選択の連続ですので、理由が必要になる箇所は星の数ほどあります。
バトル漫画で例えるのなら、戦わないといけない理由(逃げてはダメな理由)、勝つ気であるなら勝ちを確信する理由など。
誰だって怖い思いや痛い思いをしたくありませんし、負け戦を好んでする物好きな人もいません。
主人公がそういった感情がないのであれば、ない理由もきちんと提示しておかないと読者は共感できません。
共感する上で理由が理解(納得)できなかったらダメなの?
ここまで読んだ方は、理解(納得)できない理由はダメなのか?
と思われると思います。
個人的には理解(納得)できない理由でもいいと思います。
この世の中には自分の理解が及ばない人も大勢しますし、その人たちのことを理解できないからと排除するのは違うと思っているからです。
この考え方が漫画を読むときにもあるので、理解できない理由だからと言って、読むのを止めることはありません。
ただ注意して欲しいのは、理解できない理由を出す過程がきちんと描かれていることが前提です。
例え理解できなくても、その理由を出した理由がきちんと描かれていること。
その過程がきちんと描かれていると、出した結論(理由)がたとえ私にとって理解できなくても、主人公の結論を尊重することができます。
そしてその過程はまた理解できるものでなくてはなりません。
ただ理解できればいいだけなのでAという考えに至ったのはBという体験があったからだ。
ぐらいのもので大丈夫です。納得はできる考え方でなくても大丈夫です。
thisコミュニケーションという漫画の面白さを解説した記事を書いた際、まさにこの主人公が納得はできないが、理解はできる行動原理を持っていました。
彼の根底にあるのは、極端なまでの合理性。
その合理性があるので、味方を殺すという結論を出しても納得はできませんが、理解はできました。
主人公が合理性の塊である事は、それまでの話の流れで散々わかっていましたので。
面白い漫画を描く上で重要な要素①共感 まとめ
2、共感をうむには理解できる事が必要。人は理解できる人に馴染み、理解できない人とは距離を置く。
2、ex 納得できない行動を取ったとしても、その結論に至るまでの過程が理解できれば問題なし。