ドラマ化映画化と一気に二つものメディア展開を達成してしまった「トモダチゲーム」
かくいうボクももちろん読んだことあります。たぶん今年の4、5月くらいに。
いやーね。悪人が死ぬのは全然いいんですけど、友達とか親しい人に裏切られる系の話は胸が痛くてあんまり得意じゃないんですよ笑
タイトルからして「この手の話は苦手なやつだな……」と勘付いていたので、前から存在は知っていてもあまり読もうとは思いませんでした。が、ついに今年に入ってから読んだわけです。
面白かったね笑
もっと早く読んでおけばよかったよ。
というわけで優れた漫画を世に出すのがボクの使命(勝手に思ってる)ので紹介するよ!!
もちろん物語の根幹にかかわるネタバレは当然なし。
目次
トモダチゲームあらすじ・ゲーム内容。面白いから読むべきだよ。
メインの登場人物は仲良し5人組。
主人公:片切友一(かたぎり ゆういち)
母から「金より友達」が大切だと教えられ、けなげにもそれを実行しつつ高校生活を楽しんでいた。
修学旅行費のためにバイトを掛け持ちするなど、かなりの頑張り屋さん。
”ゲーム”に参加することで、次第にその本性を現していく。
学年1の秀才:美笠天智(みかさ てんじ)
父が検察官であり、そんな父を誇りに思っている。
が、”ゲーム”の深淵に触れ、それをきっかけに父を亡くしてしまう。深い後悔にさいなまれるとともに復讐を誓う。
グループきっての紅一点:沢良宜志法(さわらぎ しほ)
美人で秀才で人当たりもいい。モテない要素を探すのが難しい紅一点。父が警察官であり、正義感の強さはクラスメート中に知られている。
健気でいじらしいボイン:心木ゆとり(こころぎ ゆとり)
少しおとなしめな女の子。守ってあげたくなるような小動物感を醸す、小さいけれどボインな彼女。
ほかの心理戦・頭脳戦系の漫画には面白さを「トモダチゲーム」は秘めている
手段を問わない主人公。
まず一つ目。それは主人公の性格。
「トモダチゲーム」の主人公はほかの作品の主人公とは一線を画しています。
なんやかんやでこの手の作品の主人公は、それでも一線を越えてきません。
それもそのはず、主人公には聖人君子が求められるからですね。
作品を読むにあたって、一番付き合いが長くなる主人公。その主人公がどうしようもないクズだとしたら、あなたはきっと途中で読むのが苦痛になるでしょう。連載で読者が離れることは、打ち切りを意味します。
それを避けるため、ハードな内容の漫画でも果てしなくクズな主人公をボクは知りません。
でも「トモダチゲーム」は違うんですねー。煽るし、脅すし暴力は振るう。
”敵”と認識したら手段は問いません。すべては勝利のため。
しかしそれでも読者が「トモダチゲーム」の主人公を許容できるのは、確かな理由がそこにあるから。
やっている行為はとても褒められたものではありません。しかしそこに、納得できるしっかりとした理由があるので読者さんたちは読み続けられます。
でもボクはこんな主人公が好きだけどな!!
たくみに人間関係をゆさぶるスキル。人間の本質を知る主人公。
この手の作品であまり人間関係が関係してくるってなかなかないですよね。
たいていは主人公と、相手側の頭のいいライバルキャラ。その二人がメインで進んでいき、勝敗を分けるのはどちらが頭脳戦で上を行ったか、っていうのがほとんどです。そのために油断を誘ったり、また油断を見せたり。ルールの穴をついたり、いろいろとあれこれ工夫するわけですね。
もちろん「トモダチゲーム」でもその要素はあります。
でもそれと同じくらい重要なのは、人間関係や人間の本質をついた巧みな誘導・挑発。
とある事情により主人公はそういうのに詳しくなり、ゲーム内でもよくそのスキルを使用しています。
あくまでもこの作品は”友達”や”人間”メインに描いた「トモダチゲーム」でございます。
ライアーゲームはゲームルールの穴をつくのがポイント。だから秋山さんが毎回「このゲームには必勝法がある」って決め台詞を言えたわけです。
でも「トモダチゲーム」の場合は他人をゆすり、挑発し、様々な情報を引きずり出すのがポイントなのです。
「トモダチゲーム内容&ルール」
そんな彼ら5人がプレイするのが「トモダチゲーム」という、友情を試すかのようなゲームだった。
どのゲームも他人を信じればたやすくクリアするのは簡単。けれども極限状態でそれは一番難しい。
第1のゲーム『こっくりさんゲーム』
原作1巻
このゲーム冒頭にネームプレートの着用を命じられる。後ろには400万の借金があることを示す液晶。
肝心のゲームはこっくりさんを模したもの。
ルールはいたって簡単、五人がそれぞれ運営が用意した紙に書いてある問題を出題し、各人が正解だと思っている方へコインを押す。みんなの正解が同じなら、何の問題もなくそちらへコインは動く。が、少数派がいた場合コインはそちらへ動いてしまう。一人一出題でチャンスは5回。その5回中、一回でも正解の方へコインが動けばゲームはクリア。正解したら賞金は200万円。それぞれの借金から40万引かれることになる。
もしゲームクリアとならなかった場合、一番借金額が多い人間が全員の借金を負うこととなる。
ゲーム中に声を出すことは禁止。
自分のネームプレートを他人に見せることも禁止。故意・偶然構わず見られた時点でアウト。
どちらの場合も借金が倍となる。
そんなに難しくはないルール。
しゃべれないという縛りはあるものの、ごくごく協力すればやっていけるはずのゲーム内容だった。
が、思わぬ方向にゲームが進み始める。そして主人公も次第にその本性を現していく。
実在すると確信した裏切り者の存在。
ゲーム終了後の突然の告白。
それをそばで聞いていた天智。
ゲームは波乱必死の第二ゲームへと途中する。
第2のゲーム『陰口スゴロク』
原作1巻~3巻
その名の通り基本的なルールはスゴロクと変わらない。が、サイコロを振って出たマス目進む、などといったノーマルなものではない。進む手段はただ一つ。他人の隠し事を暴露すること。隠し事は紙に書き、投票箱に入れる。
そしてこのゲームを見ているお客様にその内容を吟味してもらい、”許せない”と感じる隠し事に投票。
投票率ごとに1位から5位を割り振る。
そして1位は5マス進み、2位は4マス、3位は3マス、4位は2マス、5位は1マス。進むのがルール。
ゲームはだれか一人でもゴールについたらゲーム終了。賞金は前回と同じく200万。一人当たり40万の獲得となる。が、ゴールせずにクリアした場合、その人物は100万円の追加賞金を獲得することができる。つまり他人をゴールさせるのがこのゲームの秘訣。
虚偽の隠し事を書くのも可能。
しかしそれが嘘だとばれれば、現在一位の人間の一つ先のマスへ強制的に飛ばされる。
ちなみに白紙で書くことも可能。全員が白紙の場合、みんな揃って1マスだけ進む。
これで進もうという話にはなるが、そううまくいくわけもなく……。
ゆらぐ人間関係
驚天動地な裏切者の動機
そして主人公の過去
事実を知ったとき5人は友達でいられるのか。
「昔ある人に言われたんだ。世の中には金より大切なものがある。それは友達だって。正直今でも友達がそんなに大切なのか俺には理解できていないんだと思う…。ただ、俺はその言葉を大切にしようと思った。その人のことが大好きだったから。けど……もう限界みたいだわ。こんな面倒なら一人のほうがずっといい」
でもこの言葉の裏にはちゃんと理由があるんですよね。アメコミのヒーローみたいな感じ。最高にかっこいい。
第3ゲーム『友情かくれんぼ』
原作3巻~5巻
舞台は変わって、広大な森林がフィールド。やることはかくれんぼ。チーム内のうち一人だけが隠れ、それ以外は隠れている相手を見つけたり、隠れている人間に食料を渡したり、サポート役に徹することになる。先に隠れている相手を見つけたチームの勝ち。相手チームへの暴力・隠れ役の移動は禁止。
携帯は支給され、連絡は自由にとれる。食事も隠れる役以外は好きなとき・好きなだけ食べられる。
隠れる役の人だけに”降参”する権利を与えられる。
また同じように探す役の人間だけ、相手チームに寝返る権利を与えられる。寝返り勝利した場合、自分が負うべき借金は負けたチームの人間が均等に分配される。寝返った人間は次のゲームには進めないが、借金0でゲームから抜けることができる。
一見ただの”かくれんぼ”に見えるこのゲーム。しかし実はかなり癖の強いゲームだった。
新しく得た仲間。失った信頼。それをもう一度掴もうとあがく。
ちなみにボクが一番好きなエピソードです笑
第4ゲーム「友罪裁判(ゆうざいさいばん)」
原作6巻~7巻
四部の父親が殺された。その最たる容疑者は実の息子だった。
四部の容疑を晴らすのが今回のゲーム内容。勝利条件は無罪票を集めること。
無罪票とはずばり7万円。クラスメート28人からそれぞれ集め、合計196万円に達したらクリア。
きちんとクラスメート一人ひとりから集めなければならず、自分の懐から196万円を出すなどは認められない。
期限は一週間! ちなみにこのゲーム本来の予定にはないものなので、プレイする人間はこのラウンドのゲームへのプレイは拒否することができる。
次々明かされる四部の隠し事。
ゲームは本物の裁判の様相を呈してく……。
そしてやっぱりかわいい女の子は鉄板!
だましだまされ、読んでいるほうも精神が疲弊するのがこういう漫画の宿命。
和ませるにもギャグを入れられる雰囲気ではない。
ここはかわいい女の子の出番だ!!
やっぱり華があるよねー。メンバー内の二人はもちろんのこと、運営もかわいい人ぞろい。
ドラマも映画も楽しみですね。
この盛り上がりはライアーゲームを思い出しますが、果たしてそこまでの成功を収められるのかも楽しみです。ちなみに映画は二本立て。原作のどこまで消化するのかも気になります。詳しい情報が出たら記事にしようかな。
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